Blenderでのベイクのやり方【初心者向け解説】

Blender

Blenderの「ベイク(Bake)」とは、3Dモデルの質感やライティングの情報をテクスチャに焼き付ける(固定する)作業のことです。ベイクを行うことで、レンダリングの負荷を減らし、ゲームやアニメーション制作での効率を向上させることができます。本記事では、初心者向けにBlenderでのベイクの基本的なやり方を解説します。


ベイクとは?なぜ必要なの?

ベイクの主な目的

  • レンダリング負荷の軽減(リアルタイムレンダリング向け)
  • ライティングやAO(アンビエントオクルージョン)の固定
  • ノーマルマップを作成してモデルのディティールを再現
  • Blender特有のシェーディングを他のプラットフォーム(Unity,Unreal Engineなど)で再現可能にする

Blenderのシェーダーは内部レンダリング用に最適化されているため、そのままUnityや他のゲームエンジンに移行すると、意図した見た目を再現できないことがあります。そのためBlender内で設定したライティングやマテリアル情報を画像テクスチャとしてベイクし、どの環境でも統一したビジュアルを保てるようにすることが重要です。

特にゲーム開発では、高解像度のモデル(ハイポリ)から低解像度のモデル(ローポリ)にノーマルマップをベイクし、見た目のクオリティを保ちつつパフォーマンスを向上させる手法が一般的です。


ベイクの基本手順

ベイクしたいオブジェクトを用意する

まず、ベイク対象となる3Dモデルを用意します。今回は前回作成したパンケーキを使います。

パンケーキの部分は以下のようにマテリアルが設定されています。これを画像テクスチャに焼き付け(ベイク)していきます。

UV展開をする

ベイクするためには、テクスチャマップを適用するためのUV展開が必要です。

  1. モデルを選択した状態で、TABキーで編集モードに移動
  2. Aキーで全選択
  3. Uキー → 「スマートUV投影」

※手動でUVを調整したい場合はUVエディターを活用しましょう。

すると、以下のようにパンケーキがUV展開されます。

新しい画像テクスチャを作成する

次にベイク結果を保存するための画像を作成します。

  1. シェーダーエディターを開く
  2. Shift + A → 「テクスチャ」→「画像テクスチャ」(この画像テクスチャのノードはどこにも繋げないでください。)
  1. 「新規」ボタンを押して適当なサイズ(2048×2048推奨)で作成
  1. 画像テクスチャを選択した状態にする(これをしないとベイクできない!)

以下の画像のようになればOKです。

シェーダーエディタの左側にある画像エディタに黒い画像が表示されます。これが焼き付ける前の画像です。

ベイクの設定をする

  1. レンダーエンジンをCyclesにする
  2. レンダープロパティ(カメラのアイコン)を開く
  3. 「ベイク」の項目を展開
  4. 「ベイクの種類」を選択(用途に応じて変更)
    • Diffuse(ディフューズ):色を焼き付け
      (今回はディフューズにします。)
    • AO(アンビエントオクルージョン):影の情報を取得
    • Normal(ノーマル):ハイポリ→ローポリの詳細をベイク
    • Roughness(粗さ):マテリアルの表面の粗さ情報をベイク
  5. 必要に応じて「影」や「間接光」のチェックを調整
    (今回は、チェックを外してカラーのみベイクします。)

以下の画像の通りになっていればOKです。

ベイクを実行する

すべての設定が完了したら、

  1. 画像テクスチャを選択していること を確認
  2. 「ベイク」ボタンをクリック
  3. 数秒~数分待つ(モデルの複雑さによる)
  4. UVエディターでベイクされた画像を確認

うまくいけば、オブジェクトの色や影が画像として焼き付けられているはずです。

左側の画像エディターを確認してみてください。今回は以下のようにパンケーキのマテリアルが画像として表示されています。

テクスチャを保存する

最後にベイクした画像を保存しておきましょう。

  1. UVエディターで「画像」→「保存」
  2. PNGまたはJPEGでエクスポート
  3. マテリアルに適用することで、ベイク結果を利用可能

ベースカラーにつながっているのノードを外し、ベイクした画像テクスチャとつなげても同じマテリアルが再現できます。


ベイクのトラブルシューティング

ベイクがうまくいかない場合、以下の点をチェックしてください。

問題解決策
画像が真っ黒になる画像テクスチャを選択しているか確認
UVがズレているUV展開を適切に設定し直す
ノーマルマップが反転するグリーンチャンネル(Y)を反転する設定を試す
エラーが出るメモリ不足の場合があるので解像度を下げる

まとめ

Blenderのベイク機能を活用すると、リアルなライティングやディテールを簡単にテクスチャ化できます。特にゲーム開発や3Dアセット制作において、ベイクは重要な技術です。

今回のポイントまとめ

✅ UV展開をして、テクスチャを用意する

✅ 画像テクスチャをシェーダーノードに設定する

✅ ベイク設定を適切に調整して実行する

✅ ベイク後は保存を忘れずに!

これをマスターすれば、よりリアルな3Dモデル作りができるようになります。ぜひ試してみてください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました